房州うちわは、館山市や南房総市で作られ、京都の「京うちわ」、香川の「丸亀うちわ」
と並ぶ、日本の三大うちわの1つです。この房州うちわは関東大震災と深い関わりがあります。関東大震災によって、日本橋の堀江町河岸のうちわ屋の大半が大火に見舞われました。その職人たちは、那古港近くの船形町(現・館山市船形)に移住し、うちわの生産を始めました。これがきっかけで房州うちわが盛んとなり、2003年には千葉県初の経済産業大臣指定伝統工芸品にも認定されました。
先人たちが、災害を乗り越え受け継いできた房州うちわの扇ぐ風に思いを馳せながら、震災の悲惨さを忘れないようしましょう。